白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

2022-01-01から1年間の記事一覧

大つごもり

大晦日は「おおみそか」の他に「おおつごもり」とも読むが、これまで生きてきた中で樋口一葉の『大つごもり』(1894)以外では聞いたことがない。私より上の世代の、ツケで買い物をして月末にまとめて支払っていた時代(こういう買い物の仕方をなんというのだっ…

急性胃炎

生活に支障が出るほど腹部に違和感が出たので、消化器内科を受診したところ急性胃炎と診断された。最近は休みもなければ嫌な思いもするという生活だったのでストレス性だと思う。胃薬を二種類処方され服薬を初めて三日ほど経つが症状は少し良くなった。もっ…

最近買った本

先週も今週も土日に仕事が入っていて全く休まらない日が続いている。世の中にはもっと忙しい人がたくさんいるのでぼやいてもいられないが、しかし自分より大変な人がいるからと言って自分が大変でなくなるわけではないので、どうしたものかと考えあぐねてい…

遅れてきたブタクサ

今週の頭から急にくしゃみが止まらなくなり、今は鼻水が止まらない。風邪を引いたのかと思ったがどうにも例年秋にやってくる花粉症の症状である。職場でその話をしたところ、やはり花粉症の症状が出ているという話をされた。無論、我々が風邪を引いて勝手に…

資料地獄

資料が山積みになってきたので整理のためにクリアブックを複数個購入したところ一万円ほどかかった。もう少し安いものにすればいいだけの話なのだが、利便性を考慮するとどうしてもコクヨ「ラ-T740NDM」あたりを選ばざるを得ない。探せばもっと良いものがあ…

ひどく寂しかった

先月、アントニオ猪木が亡くなった。享年78歳。数年前から大病を患っているという話は聞いていたし、公の場に見せる姿はひどくやせ衰えていて、その最期がそう遠くないことは誰しもが分かりきっていた。78という年齢も、近年の平均寿命と照らせばやや早かっ…

想像以上にしょーもない私

私は生来、予定を早め早めに済ませてしまうというのがあまり得意ではない。昔はそれでも腕づくで予定をこなしてしまうことが出来たが、忙しさの桁が上がったのでそういうことも難しくなってきた。 このブログにしても、あらかじめ記事を書き貯めておくことが…

連闘の日々

近頃休みというものがほとんど取れなくて困る。先週の土曜日は辛うじて休みだったが、日曜日は仕事だったし、今日も仕事だった。忙しい時期というのはどの業種にもあるわけで仕方ないのだが、諸々の規制、自粛の緩和で移動が増えたのが堪える。明日も明後日…

秀山祭の幸四郎

歌舞伎座の「秀山祭九月大歌舞伎」第二部を観た。昨年末に亡くなった二代目中村吉右衛門の追善興行で演目は『松浦の太鼓』『揚羽蝶繡姿』のふたつ。秀山十種のひとつと、故人の芸を偲ぶ吹き寄せ式の短い新作(こういうものは新作とは言わない気もするが)が並…

完全週休二日制でもなければ定休日も定められていないので曜日の感覚がいよいよおかしくなってきた。コロナ以前はそれでも出勤退勤もあれば同僚との他愛もないおしゃべりもあったので感覚がなくなるということはなかった。コロナ禍でテレワークが導入され、…

誤字と入力ソフト

この二週間は体調を崩し、グダグダと過ごしていた。体調が悪い旨を書くのも面白くないし、だからといって何か習作めいたものを書こうにも題材が思いつかない。正確にはひとつふたつ考えて居ることはあるのだけれど、病み上がりなのでエネルギーを消費するよ…

この三年間

最近、いやに時間の流れが速く印象が薄いことに気付く。曜日の感覚も希薄になってきた。そろそろ四年目、五年目への突入も現実味を帯びてきた「ニューノーマル」は着実に私の感性をむしばんでいる。だからニューノーマルを止めようと言いたいのではない。感…

鶴見俊輔の『思い出袋』

先週の水曜日に体調を崩してお盆期間をほとんど寝て過ごした。金の卵の集団就職世代から数えて三代目にあたる私には帰るべき実家というものがないのでだれが困ったということはない。墓参りに行かなかったことは不義理であると感じる。 体調を崩す直前に鶴見…

『Gレコ』雑感

最近、いよいよもって「週報」のていをなさなくなってきた。それというのもやはり「人目につく可能性のあるものはなにか素晴らしい、優れたものとして提示しなければならない」という強迫観念に拠るところが大きい。そんなことはいきなりできるものではない…

今月観た芝居

今月は歌舞伎座の切符が取れず、新劇も小劇場も見なかったので新橋演舞場の「藤山寛美三十三回忌追善喜劇公演」しか観に行かなかった。コロナウィルス第七波到来であちこちの公演が中止になっているので、今月はもうこれ一本になるだろう。映画『Gのレコンギ…

言論活動について思うこと

白野週報も週報と言いながら月一回か二回の更新という状態が続いている。言いたいことがないというよりも、意見をまとめるという作業についての抵抗感を振り切れなくなったことが大きい(これは確か、前にも書いている)。言い訳ばかりが続いているが、それに…

Twitterはできてブログができない。

先週は俳優座劇場で『美しきものの伝説』を鑑賞していたためブログを書く時間がなかった。「週に一本何でもいいから書け。できれば筋道立てた論理的な文書を書け」というつもりでブログを開設したのであるから、そもそも夜遅くなると分かっている日は昼間に…

最近の疑問

「リアル」という形容詞に対して肯定的なニュアンスが付与されるのはいつ頃から始まる傾向なのだろうか。「この作品はリアルだ」「このプラモデルはリアルな造形をしている」「リアリティを感じる」という表現から、負のイメージを読み取ることは難しい。逆…

「絶好調を100とするなら」

先週の土曜から足掛け一週間、殺人的な忙しさだった。あるいは私が常人より弱っているのか、それはわからない。絶好調を100とするなら今の私のコンディションは30から20の間といったところだろうか。金曜の朝からややしばらくめまいが続き、職場で外面を維持…

競馬文化事始め

『明治事物起源事典』(湯本豪一、柏書房、1996年11月)によれば日本においてスポーツとしての競馬*1が初めて催されたのは文久年間(1861~1863)である。文久何年と明確にされていないのは、少なくとも1996年時点では正確な年月日を明かした資料が未発見であっ…

ビールの飲み比べ

私の一番好きなビールの銘柄は麒麟クラシックラガーで、それにほぼ並ぶような位置にバドワイザーが置かれている。私は酒類に対して詳しくないのでそれぞれのビールのどこがどう好きなのか明確に語ることは出来ない。しかし、クラシックラガーとバドワイザー…

英文解釈の技術としての受験英語

最近、仕事の都合でそれなりに長い英語の文献に目を通している。英語が得意な人であればそれこそ出勤前に朝刊を読むような速さで内容を理解できるのだろうが、私は恥ずかしながら英語がほとんどできないので毎日泣き濡れて下訳を作っている。 この時に役に立…

劇団桟敷童子の美術

先日劇団桟敷童子からDMが届いた。ここ数年小劇場から足が遠のいていたところにコロナ禍にトドメを刺され、小劇場系の演劇はほとんど観なくなってしまった。大学の同級生が今でも現役で舞台に出続けているが、彼らの公演も二年以上観ていない。誘われれば行…

三日坊主が一番よくない

気が付くと四月に入ってから一度もブログを書かないまま第三土曜日を迎えていた。「白野週報」は『シラノ・ド・ベルジュラック』大詰めの、ロクサーヌの下に毎週土曜日に新聞代わりにシラノが訪ねてくるというシーンから採ったので毎週書かないとウソになる…

ヴィーナスフォート閉館

お台場の商業施設ヴィーナスフォートが明日で全館閉館を迎える。隣接するMEGAWEBは昨年12月末に閉館しており、それらを包括していたパレットタウン全体も今年の8月に閉鎖するという。お台場周辺のいわゆる臨海副都心開発計画の沿革については東京の開発史を…

誕生日カクテル

三月二十二日は私の誕生日である。だったらなんだという話だが、そうなのだから仕方ない。小村雪岱と同じ誕生日だということがささやかな自慢なのだが、これもやはり「だったらなんなんだ」と言われるのがオチだろうと思うので人に話したことはない。 「誕生…

下品な思い出話

19世紀パリの風俗について調べていると「パリの高級娼館”クリスタルパレス“には壁から天井から一面鏡張りの一室があり、ひと頃の日本人観光客は欠かさずここを訪れていた」という記述が目に留まった。私が調べていたのは柳田邦男や今和次郎、折口信夫などが…

書くのをやめたことなど

神経がささくれ立っているためか、「学者の中には戦前と戦後で180度違うことを平気で言っている人もいた」という喧嘩腰の記事を書こうと企図して途中でやめてしまった。むやみなことは言うべきでないし、批判的な内容が含まれるのであれば「むやみなこと…

ここ二年の公演中止

先週は業務の都合でパソコンで遊ぶ暇がなかったのでなにも更新しなかった。しかし考えてみたら、忙しいのが分かっているならあらかじめ記事を用意しておけばよいわけで(余暇の時間が一時間もなかったなどということではない)要するに私はブログの更新などや…

今月観た芝居

あっという間に一月が終わる。今月は新型コロナウィルス感染拡大ということもあり、外出はほとんどしなかった。芝居も歌舞伎座の壽初春大歌舞伎第一部以外は観ていない。それにしたって不要不急の外出と謗られれば反論の仕様がない。だがこういうものは一度…