白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

ヴィーナスフォート閉館

 お台場の商業施設ヴィーナスフォートが明日で全館閉館を迎える。隣接するMEGAWEBは昨年12月末に閉館しており、それらを包括していたパレットタウン全体も今年の8月に閉鎖するという。お台場周辺のいわゆる臨海副都心開発計画の沿革については東京の開発史を眺めていく上でもひとつのターニングポイントであり面白いことが多い。といっても私は耳学問として知っている程度のことなのでここで何か語ることはできない。勉強したことを要約するのは大変勉強になるのでぜひともやるべきなのだが、資料が手元にないのでうろ覚えでものを言うべきではない。

 ヴィーナスフォートに話を戻す。ヴィーナスフォートは開館22周年ということで、22年前私はまだ小学校にも上がっていなかった。初めて連れていかれたのはいつだったか記憶が定かでないが、たしか小学2年か3年であったと思う。母親に連れられて買い物をしたことをおぼろげに覚えている。当時、といってもいつからいつまでかは分からないが一階、いまニトリが入っているあたりにそれなりの広さのゲームセンターがあったように思うがいつのまにかなくなっていた。建物の二階以上がヨーロッパの街並み風になっており、天井に空が映されていたのが見ていて面白かった。しかし大人になって考えると、建物の中にいるにも拘らず「夜」の照明になると辺り一面が薄暗く、目が疲れるように思う。今日閉館を惜しんで見物に行ったところ、暗くて目が疲れた。こういう密閉された空間というのは昭和から平成中期までの感覚であるように思う。しかしヴィーナスフォートがそれ以前の例えばパルコなどと比べて違うと感じさせるのは二階三階が吹き抜けになっていて天井に高さがあることではないかと思う。古い商業施設と比べて最近の施設は窓から自然光が差し込むところが目につくのと、天井が高くなったことが特徴であるように思う。ヴィーナスフォート的な内装の建物はもうこれから先登場することがあるかどうか私には分からない。ただ天井の高さというのは少なくとも平成後期~令和初期の商業施設に継承されているのではないだろうか。