白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

ここ二年の公演中止

 先週は業務の都合でパソコンで遊ぶ暇がなかったのでなにも更新しなかった。しかし考えてみたら、忙しいのが分かっているならあらかじめ記事を用意しておけばよいわけで(余暇の時間が一時間もなかったなどということではない)要するに私はブログの更新などやりたくないのかもしれない。しかし、強制されているわけでもないブログも続かなかったら、いったい何なら続けられるのだろうか。案の定、キーボードを触らない時間が長かったおかげでタイピングがまた下手になっている(これは最近ノートクーラーを使っていたのを今日は使っていないことも関係あるかもしれないが)。

 今週は日生劇場の『ラ・マンチャの男』を観劇した感想を書くつもりだったが、公演が中止になったので止すことにした。なんとなくデリカシーに欠くように思えたからだ。この二年あらゆる興行の中止や延期が行われてきた。そのことは仕方がない。誰が悪いわけでもないのだから。特定の誰か、特定の勢力が悪いという声もまま聞かれる。しかし、ウィルスの伝播どころかそもそも人の行動そのものが予測不可能性を帯びているわけで、それを完璧にコントロールすることなどできないのではないか。マイクル・クライトンの『ジュラシックパーク』はモンスターパニックとのみ思われているきらいがあるが、そもそものテーマ(少なくともそのひとつ)はカオス理論だった。『ジュラシックパーク』を読んだからカオス理論がわかったなどというつもりはないが、そういうものがあるということは「文系」の私にも理解できた。今日改めて多くの人に読まれたら良いのにと思う。

 それにしても、こういう時勢ではあまり「芝居を観に行きました」という話もするべきではないのかもしれない。演劇はマイナーなジャンルだと言われているが、今度のコロナ禍はいよいよ演劇を歴史の中の存在に変えてしまうのではないか。いったい、演劇はどこにいくのだろうか。