白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

2021-01-01から1年間の記事一覧

フィクションにおける「初恋」のイメージ

ある統計によれば、初恋の相手と結ばれる確率は1%を切っているのだという。その統計がどういった趣旨でどのように調査されたものなのか、そしてなにをもってして「結ばれる」としているのかについては、私は知らない。「結ばれる」の定義については「一時期…

「エターナる」という動詞

「師が走る」と書いて師走と読む十二月であるが、特に何の師でもない私も仕事が煮詰まり東奔西走の日々を送っている。毎週土曜日には一本ブログを書くということになっているこの白野週報も二週続けて休んでしまった。誰も読んでいないのだからいいだろうと…

締切と浪費と肥満

仕事の締切が迫っているが、それに反して進捗状況はあまりよろしくない。よろしくないのにブログなぞ書いていてよいのかという話なのだが、一度さぼるともう二度と更新しない気がするので無理矢理に書くことにする。それに、人間が一度に集中して作業ができ…

ペダルを漕ぐ快楽

ブログ一つを書くにもこれほど時間を確保する工夫が求められるとは。数か月前の私なら思いもよらなかったことだ。仕事柄文章を取り扱う量そのものは人一倍多いと自負してきたが*1、扱っているからと言って毎日文章が書けるというものではない。なにを書くべ…

入浴という習慣

風呂が嫌いであるという人が時々いる。幸いなことに私は入浴することは嫌いでないので日々苦痛なくこなしているが、嫌いな人にとっては大変な苦痛であるらしい。なにがそこまで嫌なのか私には分からないが、しかしながら入浴は必ずしも普遍的な行為でないと…

動物の「知性」

朝、水槽を覗き込むと亀が考え事をしていた。無論、考え事をしていたというのは私の勝手な決めつけに過ぎない。正確に言えば、まるで考え事でもしているかの如くじっとして虚空を見つめていた。種族としての亀にどの程度の知能があるのか、正確なことを私は…

見逃した映画

緊急事態宣言なる、おととしまでは耳にすることのなかった宣言が幾たびも発令される間に『機動戦士ガンダム』シリーズの『GのレコンギスタⅢ』と『閃光のハサウェイ』の劇場公開を見逃した。見逃した映画を劇場で見る機会は与えられないのが普通で、どちらも…

テキストサイトの思い出

白野週報を始めて一月が経過した。「大仰な筆名を名乗り」「大層な題目を掲げ」「実際には大したことは書かない」というのはもともとそういうつもりで始めたのであまり問題ではない。ただ、それでもなにか一つぐらいは見どころのある記事を書かないことには…

日々の運動

運動不足であるからと散歩に出たところ、いつの間にか二時間近く歩き回っていた。おかげでテレビゲームやビデオ映画で体を休めるわけでもなく、高負荷の運動で体を苛め抜くでもなく休みを空費してしまった。二時間歩き回ったうえで、風呂上がりにビールを開…

「ドラマ」の中の音楽について

「ドラマ」における音楽の話ほど面白いことはない。演劇、映画、テレビドラマ、そしてアニメーションにおいて、音楽は実に多くの効用性を示している。テーマ音楽を耳にするだけで、思い出の中の名場面がよみがえってくるということは少なくない。冷静に考え…

「怪談」のこと

この二年間、夏の行事は多くが中止や延期となり場合によっては企画すらされなかった。そのせいもあってか例年よりも八月が長いような錯覚を覚えたものであるが、気温の事はともかくとして今年の夏も一応終わりを迎えたという風に考えていいのだろう。 夏の風…

演技と「素人」

昨日(2021年8月27日)の金曜ロードショーで『風立ちぬ』が放送されていた。私は私用があったため残念ながら観ていない。同作の主演が庵野秀明であるというのは当初から話題にされていた。宮崎駿はある時期から自作のメインキャストに非・声優を起用す…

「二次創作」というジャンルについての覚書

今日の東京新聞夕刊にコミックマーケットについての記事が掲載されていた。「ぴあ」の流行とコミックマーケットの相関関係について一言触れている箇所があり、そこが実に興味深かった。無論、ただ同じ時期に出てきたというだけの話であるという可能性は決し…

「見た目」に現れる時代性

ドラマの再放送を見ていると実感されることのひとつが、いかに「見た目」というものが時代の刻印を帯びているかということである。『科捜研の女』シリーズは奇天烈なあらすじと沢口靖子の妙なコスチュームプレイがインターネット上でも好評を博しているが、…

「文章を書く」という行為

「文章を書けるようになるためには文章を書くよりほかない」という作家志望者向けの循環参照の如きアドバイスを耳にしたことがある人も多いのではないだろうか。私は小説家ではないし小説家を志望しているわけでもないがこれは妥当な意見であるように思われ…