白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

「二次創作」というジャンルについての覚書

 今日の東京新聞夕刊にコミックマーケットについての記事が掲載されていた。「ぴあ」の流行とコミックマーケットの相関関係について一言触れている箇所があり、そこが実に興味深かった。無論、ただ同じ時期に出てきたというだけの話であるという可能性は決して低くないものの、ミニコミ誌ブームとコミケの定着というのは注目に値する。そういえば以前、某大付属博物館でコミケの歴史展のような企画展示(ぼかしているのでなく企画展の名前が思い出せない)があったが、そちらも実に面白かった。考えてみれば、近代以前のある時期までは「創作」といえば伝説、神話、民間伝承の引用からなるある種の「二次創作」が多かった。「物語」を考える上では、「二次創作」というのは想像以上に重要な概念であるのかもしれない。