白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

誕生日カクテル

 三月二十二日は私の誕生日である。だったらなんだという話だが、そうなのだから仕方ない。小村雪岱と同じ誕生日だということがささやかな自慢なのだが、これもやはり「だったらなんなんだ」と言われるのがオチだろうと思うので人に話したことはない。

 「誕生日カクテル」という文化があるらしく、三月二十二日の誕生日カクテルはブランデーアメリカンと書いてあった。このブランデーアメリカンというのはブランデーの水割りのことで、昔サントリーが「ブランデー、水で割ったらアメリカン」というCMを打っていたので知っている人も多いのではないかと思いう(私はさすがにCM放送当時まだ生まれていなかったので見たことがない)。wikipediaによるとブランデーの水割りはアメリカではごく一般的に飲まれているのだというが、出典が明記されていないので真に受けることはできない。というのも、ブランデーは一般的にストレートで飲むものだと言われているからだ。曰く、ブランデーは水で割ると香りがぼやけていくばかりで水で割るメリットに乏しいそうだ。同じ蒸留酒のウィスキーが水割りやソーダ割で親しまれているのとは対照的である。

 しかしながら、あまり上等でないブランデーであればカクテルの素材にしてしまうのも悪くないと思う。ブランデーのジンジャーエール割は「横須賀ブラジャー」という名前で親しまれているというし、森見登美彦の小説でダシにされていた電気ブランにもブランデーが使われている。サントリーが販売しているブランデーは水割りやカクテル、梅酒にすることが推奨されているので要は使い分けることが肝心だ。