白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

作文の手段

 最近の学生はスマホでレポートを書くらしい。それが悪いということではない。阪大の菊池誠教授も論文の下書きをスマホで書くとTwitterに書いていた。フリック入力は日本語の入力形式として、たしかにローマ字打ちキーボード入力よりも利便性が高いような気がする。ただし、なにかデータがあるわけではないが。

 手書きからワープロワープロからPCへと執筆手段が移行するに連れて、執筆の手順はまったく別のものになっている。考えてみれば当たり前の話だが、当たり前すぎてそのことは意識されない。高校までの課題作文はすべて手書きだったはずだが、大学以降の長い文書は筆記試験を除いてほとんどパソコンで書いたものだ。そこにはなにか違いがあるのだろうが、自分では皆目見当がつかない。

ある時期から元の字に似ても似つかぬ全く別の字を当てはめるタイプの誤字が増えたと国語の教科書で論じられていた。たとえば「独擅場 」を「独壇場」とするのが旧来の誤字で、「独占場」と書くのが近年の誤字であるというような。今日考えたかったこととは違うが、これも一つの変化だろう。