白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

原稿用紙一枚分

 体が鉛のように重たく、頭も働かない。さきほど、ジャックラッセルテリアという名前が思い出せず五分ほど時間を無駄にした。一週間ずっとこういう調子だったので人に話して聞かせるほど面白い話はなにひとつ浮かんでこないが(いつだって別に人に聞かせるほどのことはなにひとつ書いていないが、それは置いておく)、更新していないことに気付いてしまった以上なにも書かないのは気持ち悪いのでせめて400字程度は書いておきたい。

 400字というと原稿用紙一枚で、小中学校の課題作文はだいたいこの前後ということになっていたように思う。しかし、大人になった今となると原稿用紙一枚で起承転結をつけるというのはかえって難題であるように思う。ちなみにこの時点で残り90字を切っている。一文はだいたい50字前後に纏めると読みやすいと言われているので二文分(まだるっこしいな)しか残っていない。そもそも段落だってまだ二段しか使っていない。序破急で書くとしても一段落足りていないのだ。ちなみにこの段落の結びまでで文頭の空白と各種記号を合わせて458文字だ。

 しかし、なにか書くときに難しいのは字数を埋めることではなく形式に沿って内容を表現することであるので、一日に100字と進まない時というのもある。学校で出る作文なども、当人たちが書きたくて書いているものはよいのだが、そうでないなら原稿用紙一枚埋めてくるのも大変な苦痛であることと想像される。インターネットで読書感想文などの課題がまるで親の仇の如く言われるのは、苦痛に対する怨念返しも多分にあるのではないだろうか。もっとも、読書感想文も自由な感想を述べる場でなく空気を読んで採点者好みの理屈を組み立てる場になりがちであるという別の問題もあるのだが。

 これ以上話を広げても収拾がつかないし、なによりはやく休みたいので今日はこれぎりとする。だれに読んでもらうでもなく二年近くブログを続けてみて、やはり私は話を畳むのが非常に苦手であるということがだんだんわかってきた。こういうことが自覚できるだけでも、続けてきた価値はあると思いたい。