白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

本当にきつかった話

 ずっと調べてきたテーマについて出版で先を越されたショックで、週の後半はほぼ死に体で過ごしていた。どうでもいいが私は今この瞬間まで死に体の読みを「しにたい」と知らず「しにてい」と読んでいた。いい年をして恥ずかしいが、口に出して死に体と発話している人を見たことがないので許してもらいたい(誰に訊いているのだ)。相撲中継をよく見る人なら知っているのかもしれない。

 二年かけて追ったテーマがご破算だと思うともうなにもやる気がでず、いっそ別の業界に移ろうかとも思ったが「今ここに居られるうちはここに居た方が良いのです」とランボーが家族に向けた手紙に記していたことを思い出したので止めた。苦しいと思ったところで、抜け出した先に楽園があるとは限らない。絶不調のまま無理に新天地を求めて右往左往すると大変なことになるのはかつて就職活動で実感したことだ。

 空き時間にスマホで下書きを作り、それを記事にして編集すればもう少し意味のある文章が書けるのではないかと思って準備をしたが先述のショックでそれすらやらなかった。それにメモを取るべきスマホを地面に落とし、買い替える羽目になったのでなおさらそれどころではなかった。よくないことはとにかく重なるのである。