白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

 この一週間あまりにも忙しかった、というより、最近はずっとコンスタントに忙しいので話のネタがなにも思いつかない。しかし毎週書くことがない書くことがないと言いながら書くだけかいいるのだから無理してでもなにかしら書くのがいいのだと思う。

 忙しいといえば、何年か前に流行った映画のクライマックス、疲弊しきった主人公が昔の恋人に「パズドラぐらいしかできない」という意味のことを漏らすシーンがあったらしい。私は当該映画を見ていないのであまり良し悪しを言うべきではないのだが、この「パズドラぐらいしか出来ない」というのは主人公がある種の娯楽を見下していることが透けて見える実によく考えられたセリフだと思う。

 バカにしていなければ、他の趣味をなくした代償にせよそれはそれとして楽しめばよろしい。それをあえて、パズドラしかやれる趣味のない自分を落ちぶれたものと吐露するのは、随分と高慢ちきな話だと思う。趣味に対して意識の高い人たちは往々にして、現実でもこういう物言いをしがちだ。どの趣味が高尚でどの趣味が俗悪でなどと云々することはしない。しかし、自分の趣味が高尚であるという価値観は一体何に保証されているのかについては、今一度省みられてもよいだろう。