白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

参考にしたい文章

  最近、内山節『日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか』(講談社、2007)を読んだ。歴史哲学の話(平たく言えば迷信の存在と衰退を心性史的な観点から読み直すことが主題になっている)なので核心に入るとさすがに多少骨が折れるが、新書なのでかなり平易に解説が加えられている。もっとも、そのせいかネットのレビューでは「こんなもの筆者の主観じゃないか」という批判はかなりある。私としても内山節の言うことすべてに共感ができるわけではないので、その通りだと思う箇所が決してないとは言えない。しかし「今から私はこういう問いを立てます」「こういうことがあるから、この問いについてはこう言えます」と今なんの話をしているのか示すタイミングのうまさは作文の見本として参考にするところが大きい。

 本当はもう一冊御園京平の『活辯時代』(岩波書店、1990)の話もしようと思っていたが信じられないほど強い眠気が迫ってきたので今日はやめにする。今眠りについたら果たして明日きちんと目が覚めるのだろうか?と不安がよぎるぐらい眠い。