白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

自転車道楽の終わり

 数年前まで自転車を趣味にしていたが、修理した直後にパンクするというのが立て続けに起こってから嫌になって乗らなくなった。単に、家計に自転車を買い替えるだけの余裕がないという話でもあるのだが。

 自転車と言えば高校時代、友達と連れ立って自転車で横浜まで行ったことがある。調べてみると、おおよそ片道50Km弱の道中だったらしいということがわかった。当時はスマホが普及しつつあった頃で、高校生でもバイト代がたんまりある子は持ってきた。私と件の友達はどちらもスマホは持っていなかったので、地図一つが頼りだった。ガラケーには地図アプリがなかったように記憶しているが、それが事実だったかは思い出せない。

 往復六時間の道中だけで満足して横浜ではほとんど遊ばなかった。どこだったかは思い出せないが、商業施設に入っているラーメン屋で昼食を食べ、食後すぐに帰路についたことは覚えている。その時に食べたラーメンが数年後に街のラーメンを一色に塗りつぶすことになる家系ラーメンの一種だったことは後から知った。

 当時乗っていた自転車は赤いシティサイクルで、スポーツタイプではなかった。友達もそうだった。別の友達はクロスバイクで登校していたが、当時としてはそれなりに珍しかったように思う。

 今となってはシティサイクルで一日100kmも走るなどということは考えられない。一時期、自転車通勤をしようと思って往復30kmをクロスバイクで通勤したことがあるが、長続きしなかった。一日遊びに行くのと毎日通勤するのとでは無論、その意味とか負荷とかは異なっているが、少なくともその時所有しているのがシティサイクルだったなら、そもそも自転車で通ってみようなどとは思わなかっただろう。個人的には、自転車通勤を気持ちよく行えるのは片道10km前後が目安になると思う。

 今後また自転車を買って道楽するかはわからない。シティサイクルならそれほど財布を痛めずに買えるにもかかわらず買っていない。まだスポーツサイクルへの執着みたいなものはある。しかし、そろそろ自転車を買わないと買い物のときに困ってしまう。自転車道楽を続けるか、終わらせるかという瀬戸際に立たされている。