白野週報

Molière a du génie et Christian était beau.

胃カメラ体験についてのメモ

 怠惰の虫に取りつかれてしまい、読み物の習作どころか日記をつけるのも面倒くさいという情けない体たらく。忙しくてなにも書かないのと面倒で書かないのは意味が違うので、先日胃カメラを呑んだ時のことを書くことにする。

 先日、胃痛で消化器内科を受診した際に人生で初めて胃カメラを飲んだ。急性胃炎だろうとは言われていたが、この年で腫瘍が見つかる人も稀というだけでいないわけではないので物は試しで検査を申し込んだ。要は「せっかくだから」という気持ちに過ぎないのだが、緊張感がないわけではなかった。

 担当医に「寝てやりますか?」と訊かれ、なんのことかもわからず「はい」と答えてしまった。まさか直立で飲むカメラもあるのだろうかと思ったがなんのことはない、麻酔を使うかどうかという質問だった。これまで親知らずの抜歯で麻酔を使ったぐらいなもので、意識がハッキリしなくなるような麻酔をかけるのもまた人生初の経験となった。

 麻酔は意識がもうろうとするか寝てしまうかのどちらかだと事前に説明があったが、技師の指示通りに深呼吸をしているうちにいつの間にか眠っていた。レントゲンやCTで自分の「中身」を見たことは何度もあったがカメラで観察するのはこれがはじめてだと意気込んでいたが、結局一瞬も見ることなく終わってしまった。しかし考えてみれば私はかなりの近眼なので、起きていたところでモニターが見える道理はないのだ。もし「中身」見たさの好奇心から麻酔を断って胃カメラを呑んでいた場合おそらく、たまらないことになっていただろう。